約1年ぶりにJ様がご来店くださいました。
前回、前々回とストデジをかけさせていただいております。
カラーでご来店時に「こんなになっちゃった!何とかしてください!!」とご相談を受けておりました。
実はJ様、タイの方です。
1年に1回、2週間のお休みを取りタイに帰られます。
その前にどうしても美容室に行きたい、でも当店とタイミングか合わず他店にてデジタルパーマをかけられたそうです。
1年ぶりに逢う家族や友人、少しでも綺麗な自分で帰りたい、お気持ちよく分かります。
なのに、お店を出た時から1度も髪を下ろせなかったそうです。
元は胸の辺りまであるロングヘアでした。
カウンセリングで長さや希望のカールを伝えて、施術が始まったそうです。
途中、何度もアレ?何かおかしい?と思ったそうですが、中々言えないまま終了。
思ったより短く、デジパーもいつもより細いロッドでいつもより上まで巻かれとても不安だったそうです。
案の定、鏡を見てビックリ!広がる髪のボリュームに毛先はジリジリ悲しすぎて何も言えず、、、本当に泣きそうだったとおっしゃいました。
それでも担当の美容師さんは「いい感じですね〜!」と自信満々だったそう。
お直ししてもらえなかったのかお聞きすると、「あの仕上がりを良しとする人には直せない、もっと酷い事になりそうで怖いから嫌」との事でした。
頑張って2ヶ月半、髪を伸ばして7勤して休みを取ってご来店くださいました。
パッと見はデジパーを失敗されたのかな?と思いましたが、ん?ん?ん?
カットもおかしな事になっておりました。
これでは広がります。
髪、下ろせません。
まずJ様は元々大きくうねりが有り、広がりやすい癖毛さんです。
ストデジでは無く中間からのデジパーのみならば、広がる事を前提に髪の長さを設定しなくてはいけません。
広がりを最小限に抑え、カールを出せる長さには短過ぎます。
柔らかくカールが重なる仕上がりをご希望なのに、全くレイヤーが入っておらず梳きだけで何とか形を作ろうとガッツリ梳かれており、写真の様にハサミのラインくっきりでした。
ボリュームが出過ぎてしまい、梳いて何とかしようとしたのでしょう。
余計に広がり扱いにくくなってしまいます。
今回のJ様のご希望は長さは出来るだけキープして、毛先を柔らかいカールにしたい!何より髪を下ろしたいです。
他店の薬剤が分からないので当店の薬剤との相性や、髪の状態を観察して出来る限りをさせていただきました。
ベースの長さは整えつつローレイヤーを入れ、カールが重なってもボリュームが出過ぎないようにします。
レイヤーを入れる事により、仕上がりのシルエットも抑えられ、長さを残しつつ表面の特にダメージのある毛先もカットできます。
慎重に薬剤を塗り分け、アイロンの温度や水分量、デジの繋がりやロッドの大きさ巻き込み等を意識しながら進めます。
たっぷり2液を塗布し、お仕上げです。
J様、鏡を見て「嬉しい〜!本当に本当にありがとうございます!!これでやっと髪を下ろせます!」と喜んでいただけました。
お客様はアレ?ちょっと違うと思っても中々伝えられない事があると、改めて感じました。
私も自己満足な仕事にならない様に、目の前のお客様を大切に、伝えていただき易い雰囲気作りをより気を付けていこうと思います。
お忙しい中、ご来店いただきまして感謝いたします。
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